在宅から施設へ ― 父の変化を見つめて
はじめに
父が施設に入所してから、しばらく経ちました。在宅で介護をしていた頃と比べて今の父を見ていると、正直なところ戸惑うことが多くあります。今日はその変化について、特に「認知機能の低下の進み方が速くなった」と感じていることを中心に、率直な気持ちを書き留めておきたいと思います。
在宅生活の頃
自宅で暮らしていた頃の父は、決して完璧ではありませんでしたが、それでも自分のペースというものがありました。慣れた部屋、使い慣れた道具、長年連れ添った家族の顔。そうした「いつもの環境」に囲まれていたからこそ、多少の物忘れや戸惑いがあっても、なんとか自分の生活を保てていたように思います。
昔の話をすると表情が和らぐこともあり、「まだ大丈夫」と思わせてくれる瞬間が、日々のどこかにありました。
施設入所という決断
在宅介護を続けることの限界は家族としてある程度想定していたつもりでした。介護の負担、安全面への不安、そして父自身のこれからの生活を考えたとき、施設入所は避けて通れない選択でした。頭では分かっていても、実際に踏み切るまでには、やはり大きな迷いと葛藤がありました。
父が施設に入所したのは、2026年2月中旬のことでした。
入所後に感じた変化
ケアマネージャーさんからも聞いていて、覚悟はしていたつもりでした。環境が変われば、多少なりとも影響があるだろうと。それでも入所から3〜4ヶ月ほど経った頃、想像していた以上のスピードで認知機能の低下が進んでいることに気づきました。
最初の1、2ヶ月は新しい環境に戸惑いながらも、なんとか適応しようとしている様子が見てとれました。それが3ヶ月目、4ヶ月目に差しかかる頃から、変化のペースが明らかに速まったように感じます。半年ほどかけてゆっくり進むだろうと、どこかで思っていた分、そのスピード感には正直なところ驚きと戸惑いがありました。
特に気づくようになったのは、面会時のやり取りです。話しかけると、以前ならたどたどしくても言葉が返ってきていたのが、最近では途中でふっと反応が止まってしまうことが増えてきました。こちらの言葉が届いていないのか、届いていても言葉として返す力が追いつかないのか、判断がつかないまま、その沈黙の時間だけが少しずつ長くなっているように感じます。
- 見慣れない環境の中で、以前は保てていた日常の感覚が薄れていくように見える
- 面会時、話しかけている途中で反応がふっと止まってしまうことが増えた
- 食事に時間がかかるようになった
- 職員の方のお話から想像するに、周囲の方への気遣いがなくなってきている
在宅の頃は「今日はできた、今日はできなかった」という波の中に、まだ希望を持てる部分がありました。しかし施設に入ってからは、その波そのものが、全体として下向きに傾いていくような、そんな感覚があります。
覚悟していたことと、実際に直面すること
「環境が変われば認知機能に影響が出ることがある」ということは、事前にある程度知識として知っていました。それでも、わずか3~4ヶ月という期間で、実際に自分の父にその変化が起きるのを目の当たりにすることは、知識として知っていることとはまったく違う重みを持っていました。
覚悟していたはずなのに、いざその通りになると、重い気分になる。そんな自分にも気づかされます。
それでも
環境の変化に伴う戸惑いは、ある程度は避けられないものなのかもしれません。それでも、施設職員の方々と情報を共有しながら、少しでも父が安心できる関わり方を探っていきたいと思っています。
同じように、在宅から施設へと親を送り出した経験のある方、あるいは今まさにその決断に悩んでいる方がいたら、この文章が何か少しでも心の支えになれば嬉しいです。