奈良県二上山周辺の野鳥観察

「役割」が意欲を引き出す、高齢男性への声掛けのヒント

    
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「役割」が意欲を引き出す、高齢男性への声掛けのヒント

「外出しましょう」だけでは動かない理由

介護の現場では、外出に消極的な高齢男性の利用者に出会うことが少なくありません。特に現役時代に仕事中心の生活を送ってこられた方は、退職後に「役割」や「頼られる場面」が減り、外に出る目的を見失いやすいように感じます。単純に「散歩に行きましょう」と声をかけても、なかなか動いていただけないのは、意欲そのものの問題というより、外出の意味が見えにくいことが背景にあるのかもしれません。

自己効力感という視点

心理学では、「自分にはこれができる」「自分の行動が誰かの役に立つ」という感覚を自己効力感と呼びます。長年働き、家庭や職場で役割を担ってきた男性ほど、介護を受ける立場になったときに、この感覚を持ちにくくなることがあるように思います。「してもらう」場面が増える一方で、「する」「頼られる」場面が減ることが、外出への意欲にも影響しているのではないでしょうか。

目的と役割を添えた声掛けの工夫

そこで効果的なのが、外出そのものではなく、小さな役割とセットで誘う声掛けです。

  • 「重い荷物があるので、一緒に来て運ぶのを手伝っていただけますか」
  • 「郵便物をポストまで一緒に見に行っていただけますか」
  • 「庭の花が咲いているか、確認をお願いできますか」

特に「力仕事を手伝ってほしい」という声掛けは、体力面での自信につながりやすく、「頼られている」という実感を伴いやすいように感じます。誘われるのではなく、頼られて動く。その違いが、行動へのハードルを下げているのかもしれません。

個人の興味や経歴を手がかりにする

長く続けてこられた趣味や得意分野を手がかりにすることも、有効な工夫のひとつです。写真、園芸、釣りなど、若い頃から親しんできた関心事は、意欲が表面上薄れていても、心のどこかに残っていることが少なくありません。「昔の得意な話を聞かせてください」といった声掛けが、外への関心を呼び戻すきっかけになることもあります。

選択肢を残し、急かさない

最後に意識したいのは、決めるのはあくまで本人だという姿勢です。「今日行きましょう」ではなく、「今日と明日、どちらが良いですか」というように選択肢を残す声掛けは、自己決定の感覚を保つことにつながるように思います。急かされると、かえって外出への抵抗が強まることもあるようです。
「頼られる」という感覚が、外への一歩を後押しすることがあるように感じます。

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