遠くから見てくれていた、もうひとつの見守り
父が施設に入居して2ヶ月ほど経った頃、面会に行くと、同じ施設に入居されている女性の方から声をかけられました。
「だいぶ馴染んできてるよ」
最初は何のことかわからなかったのですが、話を聞いてみると、その方は日中、テーブルで洗濯ものを畳んだり、他の入居者さんとおしゃべりをされたりしながら、いつも同じ席で長い時間を過ごされているのだそうです。少し離れてはいるものの、その視線の先には、父が食事の際にいつも座る席がありました。
つまりその方は、毎日、遠くから父のことを見てくれていたのです。
長い時間、自然と視界に入るからこそ、日々の小さな変化にも気づいてくださったのだと思います。「だいぶ馴染んできてるよ」という一言には、そうした積み重ねがあったのだと知り、胸が熱くなりました。
その方には娘さんがおふたり、息子さんがおひとりいらっしゃるそうです。面会にいらした際は、何かと心配してくださっているようで、その延長で私たちのことも気にかけて、声をかけてくださったのかもしれません。
職員の皆さまに見守っていただいているのはもちろんですが、こうして入居者の方からも見守っていただいていると知り、本当にありがたいと思いました。
施設での暮らしは、入居者さん同士のさりげない関わり合いによっても、支えられているのかもしれません。